久御山町の信貴康孝町長は、開発協力金の見直しに着手する方針を示した。3月3日、公明党議員団代表の戸川和子議員の代表質問に対して答弁した。
開発協力金は、開発指導要綱にもとづいて、町が開発を希望する業者に対して「開発協力金」という名目の寄付(任意)を求める制度である。他自治体では、その任意性が疑われることがあったため、俗に「ショバ代」と揶揄されることもある。
町によると過去5年間で対象となる75件中、72件が納付しており、納付率は96%だとしている。
戸川議員は、近隣では京田辺市や宇治田原町が開発協力金を廃止しており、宇治市でも来年度から廃止することが決まっているとした上で、廃止も含めた今後の方向性について質問した。
信貴町長は「社会的背景や国からの指導を踏まえると、検討が必要な時期に来ている」とした上で「来年度に研究会を立ち上げ、専門家の助言も受け、都市計画審議会の意見もいただきながら、現状と課題を整理し、要綱等の改正、条例化も視野に入れながら具体的な検討に入りたい」と答弁した。
過去には、武蔵野市が指導要綱にもとづいてマンション開発業者に対して「教育施設負担金」(名目こそ違うが開発協力金とほぼ同じ)と称した「寄付」を求め、支払いを拒否した業者には給水契約を拒否するという制裁をおこなったことが違法な公権力の行使と認定された最高裁判所の判例がある(最判平成5年2月18日)。
2023年3月22日
久御山ジャーナル編集部