久御山町が建設残土を西一口にある国交省ストックヤードに搬入する際に、同町が発出した搬入依頼文書に重要事項が記載されていないことがわかった。
この問題は、市田佐山線道路改良工事において発生した建設残土を一般財団法人「城陽山砂利採取地整備公社」(城陽市)へ搬入する前に土壌試験を行ったところ、基準値を超えるフッ素が検出されたことにより、同公社が受け入れを拒否。
そのため久御山町は、国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所が管理する西一口のストックヤードに搬入することを企図し、残土の再検査を行ったところ、基準値を下回ったため、同ストックヤードに残土が搬入された。
町側は、都市整備部長(当時)が基準値を超えるフッ素が検出されたために公社から受け入れを拒否されたと国交省に説明したと認識しているという。
一方の国交省側は、受け入れ量の制限のために公社から搬入を拒否されたと認識していたという。その後、国交省に「基準値を超えるフッ素が含まれた残土がストックヤードに搬入された疑いがある」という匿名の通報があり、国交省が本件事案を把握したという。
久御山ジャーナルが開示を受けた久御山町新市街地整備課長が国交省の工務第一課長に発出した依頼文「久御山町発生の公共工事に伴う残土の受け入れについて(依頼)」(令和5年10月17日付け)には、「久御山町発生の公共工事に伴う残土の処分先については、今年度から一般社団法人城陽山砂利採取地整備公社の受け入れが制限されたことにより、大変、苦慮している状況となっております」などと記載されてものの、基準値を超えるフッ素が検出されたことには、一言半句も触れられていない。
経験則に基づくと、残土が基準値を超えるフッ素が検出されて公社から受け入れを拒否されたという重要事項を文書に記載していないことは不自然であり、都市整備部長が国交省に口頭で説明したという町側の認識は、にわかに疎信し難いものがある。
なお、本件事案は町側が意見照会した京都大学の米田稔副学長から通常の残土であり、健康被害や環境への悪影響はないという見解が示されている。
久御山町発生の公共工事に伴う残土の受け入れについて(依頼)(令和5年10月17日付け).pdf (0.1MB)
2024年7月30日配信
久御山ジャーナル編集部
信貴康孝町長が公金で地元府議会議員が主催する「藤山ゆきこを囲む会」に出席していたことがわかった。不適切な支出との批判は免れない。
信貴町長は平成28年2月7日に「囲む会」の会費を町長交際費(公費)から「藤山ゆきこ後援会」に支出した。同後援会は、藤山府議本人が代表を務める、同府議の資金管理団体である。
町によると政治資金規正法には、自治体による政治団体への公金支出を禁じる規定はないという。しかしながら、府議の資金管理団体に公金を支出することは、行政の政治的中立性に反し、住民の理解を得ることは難しい。
このような会合に出席するのであれば、信貴町長の私費から支出するべきである。
大手マスコミの報道によると福岡県の川崎町と吉富町は、町長が政治資金パーティーに出席した際に町長交際費から会費を支出していたが、住民の理解を得られないとして、交際費の支出基準を見直し、今後は政治資金パーティーへの支出は行わないようにしたという。
久御山町においても、町長交際費の支出基準を見直し、政党や資金管理団体への支出は禁止するべきである。
久御山町HPより引用
2024年7月12日配信
久御山ジャーナル編集部
8月20日告示・8月25日投開票の久御山町長選挙に立候補を表明しているのは、現職の信貴康孝氏と新人で前町議の中井孝紀氏の2名である。
日本共産党と日本維新の会は候補者を擁立するのは困難と見られ、信貴氏と中井氏の熾烈な一騎打ちが予想されている。
現職の信貴氏は、自民党・公明党・立憲民主党の推薦を取り付けている。町議13名内10名が支援にまわると見られる。組織力や現職としての知名度では優位な立場にある。
この他、4年前の信貴陣営の選対本部長を務めた前町議の田口浩嗣氏が信貴氏の支援団体「心豊な久御山の会」の街宣車の運転手を務めていたという目撃例があり、田口氏も信貴氏支持を鮮明している。
一方の中井氏は、6月会議の最終日に議員辞職し、事前の政治活動を活発化。2連ポスターの掲示や支援団体「久御山を改革する会」の街宣車を巡回させるなど懸命に支持拡大をはかっている。現時点において、中井氏を推薦する政党や支持を表明している町議は存在しないが、複数の元町議の支持を取り付けたと見られる。
町内の有権者数は約1万2千人である。昨年の町議会議員選挙の投票率は50.86%であったことから45~60%程度の投票率が予想される。
信貴氏を支援する町議10名の昨年の町議選での合計獲得票は4375票であった。仮に投票率を50%とすると、約6000票の奪い合いとなる。極論、信貴氏がそのまま4375票を獲得すれば、中井氏は1625票にとどまり、信貴氏の圧勝に終わる。もちろん、物事はそのような単純な話しではない。
中井氏が地盤とする御牧校区は町内最小校区であり不利な立場にあるが、住民の間では、現職の信貴氏には不満の声も強まっており、多選批判も重なり支持を広げている。信貴氏が地盤とする佐山校区など同氏の支持層にも浸透してきているという見方もある。
また、信貴氏は上述したとおり自民党など3党の推薦を取り付けているが、「政治とカネの問題」により国民の政治不信は強まっているため、政党推薦が足かせになる可能性もあり、政党推薦のない「完全無所属」のほうが伸びしろがあるといえる。
信貴氏は今回、西脇知事との2連ポスターの掲示を開始した。これは、中井氏に対して強い危機感を示していること意味する。とはいえ、現職3期目の町長としての信貴氏の知名度や推薦政党・支援町議による組織力は強大であることに間違いはない。
いずれにしても、今回の町長選挙は横一線の激戦となることが予想される。両陣営が事前の政治活動を活発化させているため、町内では徐々に選挙モードが高まっている。住民がどのような判断するのか注目される。
◯信貴氏の関係サイト
・久御山町役場 町長室(外部サイト)
・心豊かな久御山の会 Xページ(外部サイト)
※信貴康孝氏の政治活動用のウェブサイトやブログの存在は確認できなかった。
2024/8/6追記:信貴町長がXを開設したことを確認した。シンキ康孝 Xページ(外部ページ)
◯中井氏の関係サイト
・中井たかのりオフィシャルブログ(外部リンク)
2024年7月11日
久御山ジャーナル編集部