元町議の田口浩嗣氏が現職時代の平成30年度予算要望において町内への新幹線車両基地の受け入れを要望していたことがわかった。
田口元議員は、平成30年度予算要望の中で「北陸新幹線ルート誘致と住民の利便性向上」という項目を設け、「税収確保に向けて、新幹線車庫の受け入れを望みます」と明記している。これは田口元議員がネット上に公開している予算要望書で確認できる。
現在、北陸新幹線敦賀―新大阪間の延伸をめぐっては、旧巨椋池干拓地に約30万平方メートルの車両基地を整備する案が示されている。大規模な盛土を伴う計画であることから、排水機能を低下させ、治水や水害リスクへの影響を懸念する声が強まっている。
久御山町議会でも、6月会議で車両基地計画について慎重な対応を求める決議を可決。さらに9月会議では、車両基地建設による治水・水害リスクについて、京都府に技術的な検証を行うよう求める意見書を可決した。
田口元議員は、「町長与党」を自称し、町長選挙では信貴陣営の選対本部長を務めるなど、町長の「側近議員」として町政に影響力を行使していた人物である。現在も社会教育委員長や消防団長といった公職を務めている。
「税収確保」を理由に新幹線車両基地の町内立地を推進し、現在の町政をめぐる混乱や住民の不安につながる状況を招いたのであれば、その責任はあまりにも重いと言わざるを得ない。
田口元議員は、議員在職10年により自治功労者となっている。しかし、過去の自身の予算要望と現在の車両基地計画をめぐる状況を踏まえれば、「自治功労者」の資格があるとは到底言うことができない。
「功労」どころか、久御山町をめぐる現在の混乱について責任をどう考えているのか。田口元議員は、自治功労者としての称号を返上するとともに、現在務めている一切の公職からも即刻辞任するべきである。
田口浩嗣元議員のブログより
2026年9月17日配信
久御山ジャーナル編集部
久御山町議会の民生教育常任委員会は、アクティオ株式会社を全世代・全員活躍まちづくりセンター(愛称:グランハット)の指定管理者として指定する議案を全会一致で「可決すべき」と決した。10月1日の本会議において可決される見込み。
今回の指定管理者の選定は、同センターの整備運営事業に係る管理運営業務、設計及び工事監理業務の事業者選定において、参加者から提出された事業提案書やプレゼンテーション、ヒアリング等を踏まえて審査が行われ、その結果、アクティオ株式会社が契約者となったことを受けたもの。指定期間は、令和8年12月28日から令和13年3月31日までとなっている。
今回、注目されるのは、指定管理者として文化スポーツ事業団のような町の外郭団体などではなく、民間企業であるアクティオ株式会社が選定された点だ。
アクティオ株式会社は、全国で公共施設などの管理運営を手掛けており、施設管理・運営に関する実績を有する事業者である。今回の選定において、こうした民間事業者としての施設管理の実績やノウハウを持つ企業が指定管理者に選ばれたことは、評価できる。
宇治市では、宇治市文化会館の指定管理者を巡りアクティオ株式会社が、それまで文化会館の管理運営を担ってきた外郭団体である公益財団法人宇治市文化センターとの「ガチンコ対決」を制して、指定管理者として選定されている。指定管理者から外れた宇治市文化センターは解散に追い込まれた(※)。
公共施設の管理運営については、単に町との関係性や従来からの実績だけで事業者を選ぶのではなく、専門性や企画力、サービス向上への取り組みなどを踏まえて競争的に選定することが、指定管理者制度本来の趣旨にもかなう。
「官から民へ」という流れの中で、公共施設の管理運営についても、行政や外郭団体が担うことを当然とするのではなく、民間企業の専門的なノウハウを積極的に活用することが求められている。
全世代・全員活躍まちづくりセンターが、単なる「ハコモノ」に終わることなく、民間事業者のノウハウを生かした魅力的な施設となることが期待される。
※宇治市の指定管理者選定委員会は全委員が外部委員によって構成されているため民間事業者と外郭団体による「ガチンコ対決」といえる。他方で久御山町の選定委員会は、町の理事者・幹部職員が委員の過半数を占めており、外郭団体優位の審査になっているという批判は免れない。
久御山全世代・全員活躍まちづくりセンターの指定管理者の指定について(令和8年9月7日付け民生教育常任委員会資料).pdf (0.11MB)
2026年9月13日配信
久御山ジャーナル編集部
9月1日の本会議において、本紙芦田が別の議員が提出者となった意見書案について執行部への質疑を行おうとしたところ、議長がこれを制止し、議会が一時空転した事態が発生した。
本紙芦田は「執行部への質疑を認める見解がある」と強く主張。本会議を暫時休憩の上、緊急の議会運営委員会(議運)が開かれ、議員提出の意見案について執行部への質疑が認められるかが議論された。
議運では、一旦は「執行部への質疑は一切認めない」という結論が出そうになったが、議会事務局が京都府町村議会議長会に意見照会したところ、具体的な質疑内容を確認した上で、認めるか否かを判断すべきとの趣旨の回答があり、議運は一転して方針転換をおこなった。
上記意見照会を受けて議運は、本紙芦田が予定していた質疑内容を確認。その上で、議長は「執行部に対する質疑として適当ではない」との判断を示した。
本紙芦田は、質疑内容を確認した上で議長が「質疑を認めない」と判断したことは受け入れる一方、質疑内容を確認することなく、執行部への質疑そのものを制止したことについては容認できない姿勢を示した。
ここで、議員提出議案について執行部に対して質疑が認められるか否かについて検証する。
『議員必携』(全国町村議会議長会編、学陽書房)には、
「質疑は、提出者に対して行うものであるから、町村長から提出されたものは町村長に、議員から提出されたものは、その議員に対してすることになる。しかし、議員提出議案については、その議案の執行上の問題について執行機関に対しても質疑をすることができる」
とある。
また、全国市議会議長会政策第一部長の本橋謙治氏は『自治体法務研究』2025年夏号において
「質疑の内容次第では、執行機関への質疑は可能です。つまり、質疑は提出者である議員に限定されるというわけではありません。具体的には、意見書の内容に関する執行状況などについて、執行機関に確認することなどが考えられます」
と説明している。
全国都道府県議会議長会の元事務局次長の鵜沼信二氏も『ポイント別でわかりやすい!地方議会・議員の基礎知識』(中央文化社)において
「質疑は原則として提出者に対して行うものです。議員提出議案についても提出者に対して行うものですが、当該議案の執行上の問題点等についての疑義がある場合は、その限りにおいて、執行機関に対して質疑を行うことができると考えらえれます」
としている。
また、『実務地方自治法講座5巻 議会』(八木欣之介・小笠原春夫編、ぎょうせい)も
「(質疑は)基本的には、議題となっている議案を提案した者に対してなされるが、これに限られるものではない」
として、予算や法令との関係などについて執行機関に質疑できるとの見解を示している。
これらはいずれも、議員提出議案であることだけを理由として、執行部への質疑を禁止する見解ではない。
確かに、議長には議事整理権があり、質疑が議題外にわたっていたり、自己の意見述べたりしている場合は、これを制止する権限がある。しかしながら、上述した専門家の見解や府町村議会議長会の意見照会結果に照らすと本会議の場でも、まず質疑内容を確認した上で判断することが適切であったといえる。
そうすると、議員提出議案であっても、質疑内容によっては執行部への質疑が可能というのが通説と解されるところ、「執行部への質疑は一切認めない」という畢竟独自の見解を示し、本紙芦田の質疑を制止した行為は、議員の発言権を不当に侵害し、議事整理権の逸脱・濫用があったといえるのではないか。
本紙芦田は議員提出議案について執行部に対して質疑ができるか調査した上で発言をおこなったものであり、思い付きでおこなったものではない。調査を尽くした本紙芦田の意見も聞かずに、府町村議会議長会の意見照会結果が出るまで、議長と議運が「執行部への質疑は一切認めない」という姿勢だったことは猛省するべきである。
2026年9月8日配信
久御山ジャーナル編集部
久御山町社会福祉協議会(以下「社協」)が公表した令和7年度決算資料で、通所介護事業のサービス活動増減差額が1000万円近くの赤字となっていたことがわかった。
令和7年度の通所介護事業は、サービス活動収益が4474万円だったのに対し、サービス活動費用は5463万円。収益に対して費用が約989万円上回った。前年度も約625万円の赤字となっており、わずか1年間で赤字額は約363万円拡大したことになる。
赤字拡大の背景には利用者数の減少がある。利用延人数は令和6年度の3977人から令和7年度には3402人へ575人減少。1日平均利用人数も13.0人から11.1人へ減少した。社協の事業報告には利用者確保のため、居宅介護支援事業所への訪問や「お試し利用」などの取り組みなど経営改善に努めたとあるが、利用者数は損益分岐点の79%にとどまった。
本件について社協の監事は、決算監査報告書において、通所介護事業の利用者数が損益分岐点を下回る状況が継続していることから、「構造的な課題」を抱えていると指摘。
さらに、令和6年度から赤字が続いており、これまでの監査でも早急な経営改善を求めてきたものの、「現時点において十分な改善効果は確認できていない」としている。その上で、職員が一丸となって経営改善に取り組むよう求めている。
本紙芦田も昨年9月に開催された予算決算常任委員会の令和6年度決算審査において、町を通じて早急な経営改善に取り組むことを求めた。社協には町から職員が派遣されているほか、町の民生部長が社協の理事を兼ねるなど、町と社協は密接な人的関係にあることからも町には経営改善に関与する責務があるといえる。
通所介護は高齢者の生活を支える重要な福祉サービスであるため、持続可能な事業にする必要がある。社協の監事からも「構造的な課題」と指摘されている以上、赤字の原因を検証し、利用者確保や職員配置などを含めた抜本的な経営改善策が必要といえる。
2026年9月7日配信
久御山ジャーナル編集部
公益財団法人久御山町文化スポーツ事業団(以下「文スポ」)を指定管理者の候補者として選定していた選定委員会で町側委員が過半数を占めていた問題をめぐり、過去に東京都でも同様の問題が発生し、包括外部監査で是正を求められていたことが本紙の調査により分かった。
東京都で問題となったのは、財団法人東京都道路整備保全公社(現在は、公益財団法人に移行)が指定管理者の候補者となった際の選定委員会である。 当時、選定委員会には東京都の建設局職員が委員として入り、指定管理者の候補となった東京都道路整備保全公社との間には、都職員の派遣や都職員OBの雇用など、人的な関係も存在していた。
これについて東京都の包括外部監査は、平成21年度に指定管理者との人的関係などを踏まえ、選定委員会の委員の半数を行政側の職員が占めることは、選定の透明性・公平性の観点から望ましくないと指摘。委員構成を見直し、外部委員を過半数とすることなどを求めた。
東京都はこの指摘を受けて制度を改正し、選定委員5人のうち3人を外部委員とした。その後、東京都の指定管理者制度に関する指針でも、選定委員会について「外部委員を過半数含む」ことが明記されている(下記画像参照)。
一方、久御山町の文化・スポーツ施設指定管理者選定委員会では、平成30年の選定時に、副町長・総務部長・教育次長・大学名誉教授・税理士の5人が委員を務めていた。
5人のうち3人を町の理事者・幹部職員が占め、町側委員が過半数となっていた。審査の対象となったのは、町が設立した外郭団体である文スポ、他1社であった。
文スポは、平成18年度から久御山町の文化・スポーツ施設の指定管理者となり、現在まで指定管理業務を担っている。また、歴代の専務理事(事務局長兼務)を町職員OBが独占するなど、町との人的な関係も深い。
町側の選定委員が過半数を占めていたことをもって、直ちに不公正な選定が行われたと速断するべきではないが、指定管理者となる外郭団体と自治体との人的関係が強い場合、その選定を行う委員会に行政側の職員が過半数を占めることが、公正性・透明性の観点から強い疑義が生じる。
東京都の事例では、実際に包括外部監査がこうした点を問題視し、その後、外部委員を過半数とする制度に改められた。
包括外部監査制度は、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家を中心に、高度な専門的知見を有する者を包括外部監査人として選任し、監査委員制度とは異なり、自治体から一定の距離を置いた外部の専門家による監査を行う仕組みである。上述した平成21年度の東京都の包括外部監査を担当したのは公認会計士1名であり、さらに6名の公認会計士などが監査補助者として監査に加わっている。公認会計士を中心とした専門家チームによって、指定管理者制度の運用について詳細な検証が行われたのである。
これに対し、久御山町の代表監査委員(識見監査委員)は、現在は元副町長が務め、その前は元助役が務めていたことを考えると、包括外部監査制度は専門性や独立性が桁違いに高いといえる。
長年にわたり同じ外郭団体が指定管理者となり、その団体と町との人的関係も続いているのであれば、なおさら、「誰が候補者を選定するのか」という審査する側の独立性が問われることになる。
東京都では、行政側委員が過半数を占める選定委員会について、包括外部監査で問題を指摘され、制度そのものが見直された。
久御山町は「本町とは異なる事案である」「東京都の判断についてコメントする立場にない」といった形式的な反論に終始することなく、選定を行う委員会の構成そのものが、住民や民間事業者から見て公正・透明なものとなっているのか、第三者によって検証するべきである。
2026年8月30日
久御山ジャーナル編集部