自民党の藤山裕紀子府議会議員(宇治市・久世郡選出)が令和2年に執行された久御山町長選挙の告示前に信貴康孝陣営による出陣式の案内を不特定多数に公開していたことがわかった。事前運動を禁止した公職選挙法に違反する可能性が高い。
藤山府議が掲載していたのは、町長選挙の告示前日となる令和2年8月17日付けのX(当時Twitter)。「明日、いよいよ出陣式です!」という文言とともに、陣営が作成したと思われる出陣式の案内文を掲載していた。
出陣式の案内を告示前に不特定多数に案内する行為は、一般に事前運動を禁止した公職選挙法に違反にする解されている。
藤山府議は、自民党京都府連の職員などを経て、当時は府議3期目(現在は4期目)であった。こうした政治経験から公選法については熟知している地位にあるため、「違反とは知らなかった」という言い訳は通用しないであろう。
2025年4月29日配信
久御山ジャーナル編集部
久御山町教育委員会が町内の小学校で使用する教師用指導書等を本来必要な町議会の議決を得ずに購入していた事案に関連する行政文書が昨年11月21日に開示された(全文は下記PDF参照)。法令違反の原因を調べるために、本紙芦田が10月17日付けで公文書の開示請求をおこなっていた。
開示された契約書によると、昨年3月27日付けで締結され、同29日に履行された。検査調書によると、建設課長補佐が検査をおこない、教育委員会の学校教育課長補佐が立会人となり、信貴町長に報告されていた。
支払負担行為書には町長、副町長、教育長、会計責任者などの決裁印が押されていた。
久御山町の条例では、予定価格700万円以上の動産を購入する場合は、事前に議会の議決が必要となっている。また、地方自治法では会計責任者は町長から支出命令を受けた場合においても、法令または予算に違反するときは、支出することができないと規定している。
本件の場合、教育委員会に加えて、会計責任者や検査人となった建設課長補佐の「認識不足」により看過してしまったという。
開示された行政文書からは、久御山町のガバナンスが機能不全に陥っていることが深く読み取れた。
さらに事後的になるが監査委員による監査もおこなわれていたはずであるが、令和5年度決算の監査意見書には「予算に基づき適正に執行されて」いると記載されていた。
これについて、監査事務担当者は「財務書類は膨大な量があり、一般的に試査(※1)によることが認められている。実施した監査の範囲で、意見書に『予算執行は適正』と述べているものであり、今回の件は、監査委員の任務懈怠や重大な注意義務違反には当たらない」と議会で答弁している。
しかしながら、監査の実務書によると議会の議決を得ているかどうかは監査の着眼点とされている。監査委員は例月出納検査、定期監査、随時監査、決算審査など様々な機会において本件法令違反を指摘することができる立場であった。試査を理由に責任逃れの上記答弁は失当である。
本来、監査委員は「最後の砦」として機能しなければならないが、専門的知識を有さない役場OBの監査委員では、見抜けなくて当然である。かような人物を監査委員として選任した信貴町長とそれに同意した議会の責任は重い(※2)。
監査委員には、高度な専門性と独立性が求められるところ、役場OBでは、その両方が欠けており、役場OBの代表監査委員が久御山町役場のガバナンスを機能不全に陥らせているといっても過言ではない。本紙読者からも「役場OBが監査委員を務めるのはおかしい」といった声が届いている。
思うに、監査委員はときとして執行部と相対立することもあるため、その選任には、恣意的な人事を防ぐためにも弁護士会からの推薦を受けた弁護士を監査委員にするなど抜本的な見直しが必要である(報酬を上げる必要もある)。役場に友好的・協力的な地元の名士や役場OBを監査委員にするのは論に値しない。
役場OBの代表監査委員は、その地位に留まることが住民の利益を損ねていることを強く自覚し、即刻辞任するべきである(※3)。
※1 試査:監査の対象となる母集団から一部の項目を抽出して監査を実施すること。
※2 令和3年6月会議において信貴町長から町議会に監査委員の選任(再任)同意を求める議案が提出された。当該議案には、本紙芦田と松尾憲議員(当時)が反対したが、賛成多数により選任同意となった。
※3 もっとも現・代表監査委員の任期は本年6月19日までとなっている。
初報記事:町教委に法令違反 議会の議決を得ずに教師用の指導書等を購入(2024年10月16日配信)
令和6年度以降使用教師用指導書等取得についての行政文書.pdf (3.94MB)
2025年4月27日配信
久御山ジャーナル編集部
役場OBの代表監査委員が久御山町役場に対して仲間意識・古巣意識を有している疑いがあることがわかった。厳正中立な監査が求められる監査委員としての適格性が強く疑われる。
本紙芦田は、代表監査委員と武田都市整備部長が親しげに話している姿を目撃した。その際に代表監査委員は都市整備部長を「武田君」と呼称していた。監査する立場である代表監査委員と監査を受ける立場の都市整備部長は、本来、一定の距離が置くべき存在である。
監査の実務書によると、監査人(監査委員、監査役、監事等)には外観的独立性と精神的独立性の担保が必要とされている。外観的独立性とは、第三者から見たときに、その公正中立性が疑われない状況を指し、精神的独立性は、監査行為が実際に公正不偏な判断を下せる心の状況を指す。
これを久御山町についてみると、代表監査委員は、町の総務部長や収入役、助役を務めた役場OBであることから外観的独立性を欠いているといえる。仮に、予断や忖度・遠慮を排した、公正中立な監査がなされたとしても、外観的独立性を欠いているため、第三者から見て、監査の公正中立性が疑われるのである。他方で、役場OBの監査委員に忖度・遠慮がないことを証明することは困難であり、「悪魔の証明」に近いものがある。そのため、役場OBは監査委員として不適格なのである。
加えて、上述したとおり、代表監査委員が都市整備部長を君付けするのを見ると、外観的独立性を欠くだけでなく、かつての上司部下・先輩後輩といった人間関係が構築されていると認められるところ、公正不偏な判断を下せる心の状況を欠いているといえる。
本紙芦田が3月会議の一般質問において、代表監査委員が都市整備長を君付けしているのを目撃したため、仲間意識・古巣意識があるのではないかと問うたところ、総務部長は「役場OBであるため、都市整備部長を君付けすることがあるかもしれないが、いつも公正中立な立場で監査をされている」と反論した。しかしながら、上述したとおり、代表監査委員に外観的独立性が欠いている以上、総務部長の論には説得がないのである。
2025年4月25日配信
久御山ジャーナル編集部
元町職員によるスポーツ協会の金員私的流用について町監査委員は、昨年12月11日の本紙芦田の一般質問に対して、自らの責任を放棄し、自身の職務を正当化する答弁をおこなった。監査委員として不適格なのは明らかである。
助役出身の代表監査委員は、「(町監査委員による)監査行為が、スポーツ協会の事件を誘導したのではなく、監査行為と事件発生は全くの別問題であると認識している」などと自身の責任を否定した。
しかしながら、自治体監査の実務書には下記のように記載されている。
「自治体の中には、任意団体の事務局を担当部署が務め、庶務・経理を担当部署の職員が行うケースが多くがあるが、現金管理を担当者に任せ、所属長等もチェックを怠っていたため、公金横領という不祥事を招いてしまうケースが報道等をよく見受けられる。
いつでも現金を引き出せることができ、チェックする者も存在しない環境下であったことが主な要因であるが、1人の担当者だけでなく、担当者以外の複数の目で現金をチェックできる相互牽制の機能があれば防ぐことができた可能性がある。また、任意団体の事務局を自治体職員でなく、外部の者に任せるように働きかけていくことも監査等を通して指導していくことが大切である」(吉野貴雄著『実践!自治体監査の考え方と実務』学陽書房、190頁、強調は引用者)
これは久御山町で発生した元町職員によるスポーツ協会の金員私的流用事案にぴったりと当てはまる指摘である。
つまるところ、任意団体であるスポーツ協会の事務局を町職員が務め、当該職員がいつでも現金を引き出せる状況にあり、それをチェックする者が存在していなかったことが私的流用を看過した大きな原因となったのである。「担当者以外の複数の目で現金をチェックできる相互牽制の機能」(前掲書)がなかったのである。
そうすると、町監査委員としては、スポーツ協会の事務局を担っていた教育委員会に対して、現金・通帳の管理やチェック体制が適切であるかを点検し、1人の担当者に会計業務等を任せきりにすることなく、「担当者以外の複数の目で現金をチェックする相互牽制の機能」(前掲書)を構築するべきと指摘し、事務執行のあり方について是正勧告をするべきであったというべきである。
このことを本紙芦田が代表監査委員に問責したところ「(事務執行のあり方について)指摘はしていない。今後においては検討する」などと、まるで他人(ひと)事のような答弁であった。監査委員は、スポーツ協会の現預金が町職員によって私的流用されたことについて予見し、または予見することができた立場にあったにもかかわらず、自らの職務怠慢について反省の弁はなく、また自らの能力不足を棚に上げ、職務遂行を正当化したのである。
代表監査委員は、助役出身であり、弁護士や公認会計士といった専門知見を有する者ではない。監査委員として必要な中立性と専門性が担保されておらず、自らの職務怠慢を反省することができない無責任体質では、町に対してどのような指摘をしても説得力がないといえる。久御山町の住民のためにも即刻辞任するべきである。
2025年4月23日
久御山ジャーナル編集部
全世代・全員活躍まちづくりセンター(通称:グランハット)の工期に遅れが生じる可能性があることが4月23日に開催された町議会総務事業常任委員会の行政報告によりわかった。
企画財政課によると、2月25日・27日に工事監理者が配筋検査を実施したところ、不合格になったという。その後、不合格箇所の是正がなされ、4月22日に再度、配筋検査がおこなわれた。
町としては工事業者による過失があったと認識しているため、仮に工期が遅れた場合は、契約内容に基づき、工事業者に対して損害賠償請求をする可能性も示唆した。
中村副町長は、工事業者の社長に2度にわたり面会し、適切な対応を求めたとした。
久御山町全世代全員活躍まちづくりセンターについて(令和7年4月23日付け総務事業常任委員会資料).pdf (0.14MB)
2025年4月23日
久御山ジャーナル編集部