役場OBの代表監査委員が久御山町役場に対して仲間意識・古巣意識を有している疑いがあることがわかった。厳正中立な監査が求められる監査委員としての適格性が強く疑われる。
本紙芦田は、代表監査委員と武田都市整備部長が親しげに話している姿を目撃した。その際に代表監査委員は都市整備部長を「武田君」と呼称していた。監査する立場である代表監査委員と監査を受ける立場の都市整備部長は、本来、一定の距離が置くべき存在である。
監査の実務書によると、監査人(監査委員、監査役、監事等)には外観的独立性と精神的独立性の担保が必要とされている。外観的独立性とは、第三者から見たときに、その公正中立性が疑われない状況を指し、精神的独立性は、監査行為が実際に公正不偏な判断を下せる心の状況を指す。
これを久御山町についてみると、代表監査委員は、町の総務部長や収入役、助役を務めた役場OBであることから外観的独立性を欠いているといえる。仮に、予断や忖度・遠慮を排した、公正中立な監査がなされたとしても、外観的独立性を欠いているため、第三者から見て、監査の公正中立性が疑われるのである。他方で、役場OBの監査委員に忖度・遠慮がないことを証明することは困難であり、「悪魔の証明」に近いものがある。そのため、役場OBは監査委員として不適格なのである。
加えて、上述したとおり、代表監査委員が都市整備部長を君付けするのを見ると、外観的独立性を欠くだけでなく、かつての上司部下・先輩後輩といった人間関係が構築されていると認められるところ、公正不偏な判断を下せる心の状況を欠いているといえる。
本紙芦田が3月会議の一般質問において、代表監査委員が都市整備長を君付けしているのを目撃したため、仲間意識・古巣意識があるのではないかと問うたところ、総務部長は「役場OBであるため、都市整備部長を君付けすることがあるかもしれないが、いつも公正中立な立場で監査をされている」と反論した。しかしながら、上述したとおり、代表監査委員に外観的独立性が欠いている以上、総務部長の論には説得がないのである。
2025年4月25日配信
久御山ジャーナル編集部
元町職員によるスポーツ協会の金員私的流用について町監査委員は、昨年12月11日の本紙芦田の一般質問に対して、自らの責任を放棄し、自身の職務を正当化する答弁をおこなった。監査委員として不適格なのは明らかである。
助役出身の代表監査委員は、「(町監査委員による)監査行為が、スポーツ協会の事件を誘導したのではなく、監査行為と事件発生は全くの別問題であると認識している」などと自身の責任を否定した。
しかしながら、自治体監査の実務書には下記のように記載されている。
「自治体の中には、任意団体の事務局を担当部署が務め、庶務・経理を担当部署の職員が行うケースが多くがあるが、現金管理を担当者に任せ、所属長等もチェックを怠っていたため、公金横領という不祥事を招いてしまうケースが報道等をよく見受けられる。
いつでも現金を引き出せることができ、チェックする者も存在しない環境下であったことが主な要因であるが、1人の担当者だけでなく、担当者以外の複数の目で現金をチェックできる相互牽制の機能があれば防ぐことができた可能性がある。また、任意団体の事務局を自治体職員でなく、外部の者に任せるように働きかけていくことも監査等を通して指導していくことが大切である」(吉野貴雄著『実践!自治体監査の考え方と実務』学陽書房、190頁、強調は引用者)
これは久御山町で発生した元町職員によるスポーツ協会の金員私的流用事案にぴったりと当てはまる指摘である。
つまるところ、任意団体であるスポーツ協会の事務局を町職員が務め、当該職員がいつでも現金を引き出せる状況にあり、それをチェックする者が存在していなかったことが私的流用を看過した大きな原因となったのである。「担当者以外の複数の目で現金をチェックできる相互牽制の機能」(前掲書)がなかったのである。
そうすると、町監査委員としては、スポーツ協会の事務局を担っていた教育委員会に対して、現金・通帳の管理やチェック体制が適切であるかを点検し、1人の担当者に会計業務等を任せきりにすることなく、「担当者以外の複数の目で現金をチェックする相互牽制の機能」(前掲書)を構築するべきと指摘し、事務執行のあり方について是正勧告をするべきであったというべきである。
このことを本紙芦田が代表監査委員に問責したところ「(事務執行のあり方について)指摘はしていない。今後においては検討する」などと、まるで他人(ひと)事のような答弁であった。監査委員は、スポーツ協会の現預金が町職員によって私的流用されたことについて予見し、または予見することができた立場にあったにもかかわらず、自らの職務怠慢について反省の弁はなく、また自らの能力不足を棚に上げ、職務遂行を正当化したのである。
代表監査委員は、助役出身であり、弁護士や公認会計士といった専門知見を有する者ではない。監査委員として必要な中立性と専門性が担保されておらず、自らの職務怠慢を反省することができない無責任体質では、町に対してどのような指摘をしても説得力がないといえる。久御山町の住民のためにも即刻辞任するべきである。
2025年4月23日
久御山ジャーナル編集部
全世代・全員活躍まちづくりセンター(通称:グランハット)の工期に遅れが生じる可能性があることが4月23日に開催された町議会総務事業常任委員会の行政報告によりわかった。
企画財政課によると、2月25日・27日に工事監理者が配筋検査を実施したところ、不合格になったという。その後、不合格箇所の是正がなされ、4月22日に再度、配筋検査がおこなわれた。
町としては工事業者による過失があったと認識しているため、仮に工期が遅れた場合は、契約内容に基づき、工事業者に対して損害賠償請求をする可能性も示唆した。
中村副町長は、工事業者の社長に2度にわたり面会し、適切な対応を求めたとした。
久御山町全世代全員活躍まちづくりセンターについて(令和7年4月23日付け総務事業常任委員会資料).pdf (0.14MB)
2025年4月23日
久御山ジャーナル編集部