久御山ジャーナルは、昨年4月に執行された町議会議員選挙の各候補者の選挙運動収支報告書を閲覧して、選挙ポスターの公費負担額を調査した。
選挙運動費用の公費負担制度は、候補者の資金的負担を軽減することによって、お金を持たない人でも立候補する機会を与えることを目的とするものである。
久御山町では、条例により選挙ポスター1枚あたりの上限金額は6,090円、作成枚数の上限は57枚であり、最大347,130円までが公費負担の対象となる。
公費負担は、いやしくも住民の「血税」が原資となっているため、「税金の無駄遣い」をチェックする役割を担う議員としては、「最小の経費で最大の効果を挙げる」という地方自治法の規定もあることからも、可能な限り安価に作成する責務がある。
候補者別の公費請求額と1枚あたりの単価は、下記表のとおりとなる(候補者名の五十音順)。
16人が立候補し、11名が公費請求をおこなった。11名の内、最安値は1,078円であった。最高値は6,000円という結果になった。
◯芦田のポスター作成費用は…
芦田のポスター作成費用は、22,860円であった。ただし、この全額を公費請求することはできない。以下詳述する。
写真はスタジオでプロのカメラマンに撮影してもらい、画像修正してもらう必要があるが、これは前回選挙で使用したデータを使いまわした。そのため、撮影代は0円である。
選挙ポスターのデザインはデザイン会社に依頼した。料金は7,700円であり、PDFデータで納品してもらった。
このPDFデータを印刷通販会社「プリントパック」に入稿して、印刷依頼をかけた。紙質はユポタック(水に強いシール型の紙)である。
この印刷代は100枚で15,160円であった。
おそらくプリントパックが業界最安値と思われる。印刷の品質も同業他社に勝るとも劣らない。
※芦田以外には、松尾前議員がプリントパックに印刷依頼をおこなっていた。
デザイン料7,700円+印刷代15,160円=22,860円というわけである。
今回、時間的制約があり公費請求ができなかったが、仮に公費請求をしたと仮定しよう。
ポスター制作会社に写真撮影、デザイン代、印刷代を一括して支払った場合は、すべて公費負担の対象になる。ところが、ポスター印刷代を写真撮影代やデザイン代と区分して契約すると、印刷代のみが公費請求の対象になる。
芦田は、印刷会社とは別会社にポスターデザインを依頼したため、ポスターデザイン代を公費請求することはできない。
また、久御山町の公営ポスター掲示場は57箇所あり、100枚印刷しても、公費負担の対象となるのは57枚までである。
印刷代15,160円を100枚で割ると、1枚あたりの単価は151円6銭となる。
結論:151円6銭×57枚=8,641円が公費請求の可能な金額となる。
2024年1月5日
久御山ジャーナル編集部