奈良労働局大淀労働基準監督署が巴山土木(本店=久御山町)を労働安全衛生法違反の被疑事実で奈良地検に書類送検した事件で死亡者がいたことがわかった。
久御山ジャーナルが情報公開請求により入手した奈良労働局の報道発表資料によると、事件は今年4月13日に奈良県五條市の工事現場において三種混合土製造機のホッパー内に入り、清掃作業をおこなっていたX社の労働者Bがホッパー内に設置された土砂をほぐすための回転刃に巻き込まれ、脳幹部離断により死亡したとしている。
被疑者は法人としての巴山土木と同社工事主任のA(54歳)。Aの被疑事実は、清掃作業に従事する労働者以外の者が回転刃の運転を開始することを禁止するための措置を講じないまま、清掃作業をおこなったというもの。
大淀労働基準監督署は「送検事案については、報道発表以上のことは何もお答えできない」として久御山ジャーナルの取材を拒否。認否や起訴・不起訴の有無について明らかにしなかったが、ある捜査関係者によると「現在のところ、奈良地検は起訴・不起訴の判断はおこなっていない」という。
また、入札事務を担当する京都府の建設交通部指導検査課は「仮に巴山土木が起訴され、有罪判決が確定するようなことになれば、指名停止になることが見込まれる」と答えた。
奈良労働局報道発表.pdf (3.1MB)
2021年11月24日
(久御山ジャーナル主筆 芦田祐介)