5月29日の久御山町商工会通常総代会において来賓出席していた京都府商工会連合会の副会長(会長代理出席者)が商工政治連盟の組織内候補の名前を挙げて、来場者に参議院議員選挙に向けて支援を呼びかける発言があった。商工会の政治的中立性を規定した商工会法に違反する可能がある。
商工会は、商工会に基づいて設立された特別認可法人であり、府と町から補助金が支出されている極めて公共性が高い団体である。
商工会法第6条第3項は「商工会は、これを特定の政党のために利用してはならない」としているため、商工会の政治活動は禁止されている。
もっとも、商工会が政府や地方公共団体に対して商工政策についての要望書を提出するような行為まで禁止する規定ではない。特定政党に政治献金をおこなったり、特定の候補者(予定候補者を含む)を支援するような行為を禁止する規定である。
商工会は会員有志による政治団体「商工政治連盟」という別団体で政治活動をおこなっているが、任意加入であれば結社の自由として当然に認められるものである。ただし、商工会と商工政治連盟は別団体であり、商工会は商工会法の規制を受けるため、両者の事業や活動、活動資金などは厳格に分離しなければならない。
京都府商工会連合会の副会長は当該発言は、商工政治連盟の集会であれば何も問題ないが、様々な支持政党の者が参加する商工会の総代会という場にそぐわないだけにとどまらず、上述したとおり商工会の政治的中立性から逸脱するものであり、商工会法に違反する可能性がある。
本件について本紙芦田は6月会議の一般質問で問題視したが、町は「発言があったことは認識している」としてながらも「商工会を監督する立場でないため、商工会法に違反するかどうかの判断はできない」と答弁した。
一方、大手マスコミによると大分県の由布市商工会でも公式LINEのアカウントで特定の候補者の支援を呼びかける行為があり、由布市が商工会法に違反するとして警告を行い、改善措置に関する報告を求めたという報道がある。
なお、商工政治連盟の組織内候補は、自民党から参議院議員に比例代表で立候補したが落選した。
参考記事
・参議院選挙、大分県由布市の商工会がLINEで特定候補者の支援呼びかけ…政治的中立求める商工会法に抵触(読売新聞2025年7月16日配信)
2025年9月7日配信
久御山ジャーナル編集部
スポーツ協会の運営資金を私的に流用し、業務上横領罪が告発されていた元町職員(懲戒免職)が7月に京都地方検察庁が不起訴処分としていたことがわかった。9月5日の民生教育常任委員会において生涯学習応援課長が答弁した。
この問題は、スポーツ協会の事務局を担当していた町の会計年度任用職員が同協会の運営資金を私的流用していたことが発覚したことにより、町教育委員会が宇治警察署に告発状を提出していたものである。
本件についての直接の被害者は町スポーツ協会であり、告訴権を持つのは協会である。しかしながら、協会は告訴を見送り、第三者となる町教育委員会が告発していた。
不起訴理由は明らかとなっていないが、教育委員会によると弁護士の助言のもと、証拠保全などは十分になされているということであったので嫌疑なし・嫌疑不十分での不起訴処分というのは考え難い。
そうすると、被害者であるスポーツ協会から告訴状が提出されていないこと、元町職員が全額弁済していること、元町職員は既に(別の罪により)懲戒免職となり社会的制裁を受けていることなどが考慮され、起訴猶予での不起訴処分になった可能性が高いと思われる。
本紙芦田は、不起訴処分を避けるためにも被害者であるスポーツ協会が告訴状を提出するなど、捜査機関に対して強い処罰感情を示すべきと主張していた。それが不祥事を起こしてしまった協会としての責任の取り方であるが、協会はその任務を投げ捨てしまった。
法的知識が不足しているので告訴状の作成が難しいのであれば、自分の言葉で処罰感情をつづった「起訴を求める上申書」「厳罰を求める上申書」を提出することもできたはずである。
不起訴でこの事件が幕引きになることは断じて容認することができない。
・元職員による準公金の横領事案 スポ協が告訴を断念(2024年10月18日配信)
「本件では私的流用された金員の全額が弁済されており、告訴権者から処罰感情が示されていないこともあり、最悪不起訴になる可能性は否定できない」と記載した。
・本紙芦田は、令和6年12月会議の一般質問でもスポーツ協会の告訴がないことにより不起訴になる可能性に言及していた。
2025年9月6日配信
久御山ジャーナル編集部
久御山町島田古堤防の事業用地に長期間放置されていた放置物が撤去された。撤去は8月24日付け。
この問題は事実上廃業している空調設備工事会社「株式会社ネクサスENG」が当社敷地内に工事により発生した廃棄物などを堆積させていた。放置物は、道路にはみ出してたり、隣地に飛散するなどしていた。また、放置物の中には危険物と疑われる産業用ボンベも存在していた。
本紙芦田は6月9日付けで町に情報提供をおこない、当該事業者への是正指導を求めた。また放置ボンベを所管する京都府消防保安課にも連絡を入れ、対応を求めた。
本紙芦田がボンベを貸与しているある債権者に接触したところ「社長とは連絡が一切取れず、支払い停止になっており、対応に苦慮している」ということであった。
府は関係団体を通じてボンベの回収手配を行い、8月15日付けで放置ボンベのすべてが回収されたことを確認した。
また、8月24日には社長の親族によって廃棄物の全量撤去が完了したため、この問題は解決となった。
2025年9月5日配信
久御山ジャーナル編集部