記事

【独自】第一土木に8億円の純資産 自己資本比率は60%超

久御山町と係争中の株式会社第一土木(本店=京都市中京区)に約8億8千万円の純資産があることがわかった。

 

建設会社である第一土木は久御山中学校南校舎を施工したものの、その後にタイルの浮きが生じたため同社の負担で修繕工事がおこなわれた。しかしながら、平成29年に再びタイルの浮きが発生したため、久御山町は調査・修繕費用を同社に請求したが同社は応じなかった。

 

そのため久御山町は、町議会の議決を経て、京都府建設工事紛争審査会に仲裁申請をおこなった。現在も係争中となっている。審査会の仲裁判断には、確定判決と同じ効力がある。

 

久御山ジャーナルが入手した同社の令和2年3月31日付け貸借対照表(バランスシート)によると現預金は約9億円、資産総額から負債総額を差し引いた純資産は約8億8千円あることがわかった。自己資本比率は60%を超えている。

 

他方で損益計算書(平成31年4月1日~令和2年3月31日)を見ると、経常利益が約3億2千万円、当期純利益は約2億円となっている。

 

訴訟等に勝利したとしても相手方が無資力であり、賠償命令が「絵に描いた餅」になることは珍しくない。また係争中に相手方が経営破綻し、回収不能となることもある。財務諸表を見る限り、現時点において同社は経営状態は良好であり、倒産リスクはないようである。 

 

 2021年12月1日

(久御山ジャーナル主筆 芦田祐介)

トップへ戻る