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学童保育を民間委託へ 安全性への検証が課題か

久御山町は、学童保育「仲良し学級」の運営を民間企業に委託することを決定した。当該委託費を含む令和8年度一般会計予算案は、3月30日の本会議で可決される見込みである。

 

学童保育は、保護者が就労等の理由により日中に家庭で保育できない児童について、保護者に代わって生活支援や保育を行う制度である。久御山町では、町立小学校に通う1年生から6年生までの児童を対象に「仲良し学級」を設置し、放課後や長期休業期間に子どもたちの居場所を提供してきた。

 

しかし近年、学童保育の現場では指導員の確保が大きな課題となっている。久御山町においても慢性的な人員不足が続き、町直営による安定的な運営が難しい状況となっていた。

 

こうした状況を受け、町は外部有識者等で構成する「放課後児童健全育成施設の運営のあり方検討委員会」を設置し、学童保育の運営体制について検討を進めてきた。同委員会は、直営方式と民間委託方式の双方について検討を行ったうえで、「直営と民間委託にはそれぞれ長所と短所がある」と指摘。そのうえで、「現状ではすでに直営による安定的な運営が困難な状況にあり、利用者サービスの向上も期待されることから、民間委託による運営について早急に検討を行う段階にある」との結論を町に答申した。

 

この答申を受け、町は令和8年度から学童保育の運営を民間事業者に委託する方針を決定した。委託先には、横浜市に本社を置く「ハーベストネクスト株式会社」が選定されている。

 

一方で、同社の親会社である「ハーベスト株式会社」(本店所在地および代表者はハーベストネクスト株式会社と同一)は、令和5年、都内の老人ホームで提供した食事により食中毒事案を発生させ、東京都から営業停止処分を受けている。この影響で、横浜市の中学校給食の委託先として選定されていたものの、市から一時的な指名停止措置を受けた経緯がある。

 

さらに令和6年には、同社が運営する学童保育施設で提供された昼食において、アレルギー対応を誤る誤食事案も発生している。

 

学童保育は、放課後の長時間を過ごす子どもたちの生活の場であり、その運営は児童の命や健康にも直結する極めて重要な分野である。民間委託によるサービス向上が期待される一方で、事業者の安全管理体制や運営能力については、引き続き慎重な検証と町による十分な監督が求められる。

 

3月25日に開催された予算決算常任委員会では、本紙芦田が学童保育の民間委託という方針自体については、指導員不足など現状の課題を踏まえ民間委託の必要性があるとして賛意を示したものの、委託先事業者の選定については安全面で不安が残るとして一般会計予算案に反対した。

 

一方、巽悦子委員(日本共産党議員団)は、学童保育の民間委託そのものに強く反対の立場を表明し、「町が進める民間委託により保育の質が上がることはない」と厳しく批判した。

 

 

2026年3月28日配信

久御山ジャーナル編集部

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