久御山町議会は6月12日に開かれた本会議で、「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)整備計画に関する慎重な対応を求める決議案」を賛成多数で可決した。
決議案は、最大会派「くみやまみらい」代表の島宏樹議員が提出したもの。賛同議員には「@くみやま」代表の樋口房次議員、公明党議員団代表の岩田芳一議員、無会派の塚本五三藏議員、「くみやまみらい」の内田孝司議員が名を連ねた。
決議では、北陸新幹線延伸計画について国策としての意義を認める一方、久御山町内を通過するルート案や車両基地建設案が示されていることを踏まえ、地下水への影響や治水上の問題、明かり区間による住宅や学校施設への立ち退き問題などについて懸念を表明。国や鉄道・運輸機構に対し、十分な調査や情報公開、住民説明を求める内容となっている。
審議では、北陸新幹線延伸計画そのものに反対する日本共産党議員団の中野ますみ議員が「決議案は久御山町を通過するルート案を事実上容認したことになるのではないか。事実上容認と受け取られかねない第3項は削除するべきではないか」と質疑をおこなった(※1)。
これに対し、提出者の島議員は「削除するつもりはない」と答弁し、原案どおりの可決を求めた。
採決に先立つ討論では、中野議員が反対の立場から、「久御山町を通過するルート案を容認することを前提とした文言は削除するべきだ」と主張した。
また、本紙芦田は反対討論の中で「本決議案が可決された場合、町議会が条件付きで受入れ可能と考えているとの誤ったメッセージを与えかねない」とした上で、「かえって久御山町内を通過するルート案及び車両基地建設案が加速化する可能性もあり、議会の意思表示として適切ではない」と述べた。
さらに「『住民の理解と納得が得られない限り、拙速に計画を進めるべきではない』、『住民生活への影響が重大である場合には、計画の見直し・再検討を求める』など、より踏み込んだ内容を盛り込むべきだ」と主張し、原案への反対を表明した。
採決の結果、決議案は賛成10名、反対3名で可決された(※2)。
今回の決議に法的効果はないものの、久御山町議会として北陸新幹線整備計画に対する懸念を公式に表明した形となった。
一方で本紙芦田を含め、反対した議員からは「慎重対応決議ではなく、事実上の『容認決議』と受け取られかねない」との指摘もあり、北陸新幹線整備計画をめぐる議会内の認識の違いが浮き彫りとなった。
決議案第1号「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)整備計画に関する慎重な対応を求める決議」.pdf (0.21MB)
※1 第3項には「久御山町内を通過するルート案が決定した場合には、影響が最小限に抑えられるようにルートの調整を行うこと」との文言が盛り込まれている。本紙芦田は、これが久御山町内を通過するルート案を事実上「容認」するものと受け取られかねず、国・関係機関に誤ったメッセージを与える可能性があるとしている。一方、久御山ルート案が決まったときに備えて、住民への影響を最小限に抑えるための「先制防衛策」という解釈も成り立つ。決議全文は上記PDFを参照。
※2 決議に反対したのは、本紙芦田と日本共産党議員団の巽悦子議員・中野議員。両者は、同じ反対であるが、立場は大きく異なる。なお、町長与党の議員から「造反者」は出なかった。
2026年6月12日配信
久御山ジャーナル編集部