久御山町立小学校で発生した学校給食のアレルギー誤食事案を巡り、令和6年3月の予算決算常任委員会で教育委員会が当初「そのような事案は発生していない」と事実に反する答弁した問題について、本紙芦田は令和8年3月会議の一般質問で教育委員会の認識をただした。
この問題は、令和6年3月19日の予算決算常任委員会において、本紙芦田が学校給食のアレルギー誤食事案の有無について質問した際、教育委員会担当者が「近年、そのような事案は発生していない」と答弁したもの。その後、本紙芦田が事案の存在を指摘したため審議は一時休憩となり、再開後に担当者は答弁を訂正し、誤食事案が発生していたことを認めていた。
今回の一般質問で本紙芦田は、なぜ誤った答弁が行われたのかを質問した。
これに対し教育次長は、「半年以上前の事案であり、継続的な事案ではなかったことから、直感的に記憶がその事案に結び付かず、即座に正確なお答えができなかった」と説明した。
一方、本紙芦田は、公文書開示請求で入手した食物アレルギー誤食報告書について言及。同報告書には、係、係長、課長補佐、課長、教育次長、教育長の押印があり、管理職全員が報告書を確認していたことが分かっていると指摘した。
その上で、「教育委員会として組織的に隠ぺいしようとしたのではないか」と質問したところ、教育次長は「管理職全員が認識していた」と認めながらも、「正確にお答えができなかったものであり、組織的な意図はなかった」と隠ぺいを否定した。
さらに本紙芦田は、報告書が作成されたのは令和5年6月であり、予算決算常任委員会での質疑時点では1年も経過していなかったことから、「失念していた」との説明には疑問が残ると指摘した。
しかし教育次長は、「継続的な事案ではなかったこともあり、即座に正確な答えができなかった」と従来の説明を繰り返すにとどまった。
また本紙芦田は、元教育委員会職員から「管理職が学校現場に足を運ぶ機会が少なく、学校現場への関心が薄いことが背景ではないか」との指摘を受けたとして見解を求めた。
これに対し教育次長は、学校現場への関与の在り方について直接的な評価は避け、「何かあれば報告書が上がってくるので、全ての事案について把握しているつもりである」と答弁した。
今回の一般質問により、アレルギー誤食事案について教育委員会の管理職全員が事案を認識していたことが改めて明らかとなった。一方で、なぜ委員会の場で「発生していない」との答弁が行われたのかについては、「失念していた」との説明以上の具体的な理由は示されなかった。
報告書には教育委員会幹部の押印が並び、関係者全員が事案を把握していたことが確認できる。それにもかかわらず、議会の正式な質疑の場で事実と異なる答弁が行われた経緯については、なお疑問が残る。
議会答弁の正確性は行政に対する信頼の根幹である。今回の問題は単なる「失念」で片付けられるのか、それとも組織としての情報共有や説明責任に課題があったのか。教育委員会には引き続き丁寧な説明が求められる。
・教委がアレルギー誤食を隠ぺいか!?「失念していた」と答弁訂正(2024年4月17日配信)
2026年5月30日配信
久御山ジャーナル編集部
久御山町は、全世代・全員活躍まちづくりセンター(グランハット)の建設工事の遅延に伴い、公成特定建設工事共同企業体から支払われる損害賠償金1853万8千円を令和7年度一般会計予算に計上するため、地方自治法に基づく専決処分を行ったことを明らかにした。信貴町長は、町議会6月会議に関連する補正予算を提出し、専決処分の承認を求める。
グランハットの建設工事をめぐっては、共同企業体の構成員の一社が経営破綻したことなどにより、施工体制の維持が困難となった。このため、施工業者側で必要な人員を十分に確保できず、当初の工期から大幅な延長を余儀なくされた。
公成特定建設工事共同企業体の代表者は工期延長に伴う契約上の責任を認め、工事請負契約書に基づく損害賠償金を支払う旨の念書を提出していた。
損害賠償金は契約書の規定に基づき、未完成部分に相当する契約金額に遅延日数182日と年利0・25%を乗じて算出された。その結果、賠償額は1853万8千円となった。
町はこの損害賠償金を令和7年度一般会計の歳入として計上するため専決処分を行ったもので、6月12日から開かれる6月会議において議会の承認を求めることになる。
今回の損害賠償金の受け入れにより、長期化した工事によって生じた町が被った損害が補填されることになるが、実損額との乖離がないかの検証が必要となる。
なお、今回の1853万8千円は令和7年度中に発生した損害賠償金であり、工事の遅延は令和8年度にも及んでいる。このため、契約書の規定に基づき、令和8年度分についても損害賠償金が発生する見込みで、今後その金額が確定次第、予算措置が講じられることになる。
2026年5月29日配信
久御山ジャーナル編集部
平成21年12月議会において、指定管理者候補となっていた法人の理事を兼務していた町議会議員が、当該法人を指定管理者とする議案の議決に参与していた疑いがあることが分かった。地方自治法に定める「除斥規定」に抵触していた可能性がある。
当時の久御山町長は、総合体育館や「ゆうホール」などの公共施設について、旧「財団法人久御山町文化スポーツ事業団」(平成25年に解散して、公益財団法人へ移行)を指定管理者とする議案を平成21年12月議会に提出していた。
地方自治法第117条は、議員本人またはその関係団体に直接利害関係がある事件については、議事に参与することができないと定めている。指定管理者の指定議案は、法人の運営や利益に密接に関わる案件であり、当該法人の理事を務める議員は、行政実例に照らしても除斥の対象となる可能性が高いとみられる(※1)。
当時の議会だよりを確認したところ、この議案は賛成13、反対2で可決されたと記載されていた。当時の議員定数は16人であり、議長は可否同数の場合を除き表決に加わらない。このため、出席していた当該町議が採決に参与していた可能性がある(※2)。
さらに、当時の会議録を閲覧したところ、当該町議が本会議に出席していたことは確認できたものの、議長が除斥を宣告したという記載は確認できなかった。通常、除斥が行われた場合には、その旨が会議録に記録されることが一般的である(※3)。
当該町議は平成19年から平成27年までの2期8年間にわたり町議を務める一方、閉鎖された旧文化スポーツ事業団の法人登記には、当該町議が平成16年から平成25年の法人解散時まで理事として在任していたことが記録されている。つまり、町議在職期間と法人理事在任期間が長期間にわたり重複していたことになる。
仮に除斥すべき議員が議決に加わっていた場合、議会運営の適法性そのものが問われる可能性がある。また、当時の議長や議会事務局が利害関係を把握しながら必要な措置を講じていなかった場合には、議会のチェック機能やコンプライアンス意識にも疑問が生じる。
※1 昭和45年11月20日行政実例「市が開発公社から土地を買収する場合、当該土地取得に係る議案の審議に際して、当該公社の理事及び監事の職にある議員は、除斥の対象となる」
※2 当時の議会だよりは、個々の議員の議案に対する賛否を公表していなかった(現在は公表している)。
※3 除斥を行う場合には、議長による「地方自治法第117条の規定により○○○○議員の退場を求めます」といった発言が会議録に記録されるのが一般的である。もっとも、議題となる前に当該町議が自主的に退場していたことも考えられるが、その場合は、議会だよりの「賛成13・反対2」との整合性が取れない。
なお、会議録では採決結果は「起立多数」「起立少数」「起立全員」などと記録され、個々の議員の賛否を記録する制度は現在に至るまで存在していない。
2026年5月22日配信
久御山町ジャーナル編集部