公益財団法人久御山町文化スポーツ事業団(以下「文スポ」)を指定管理者の候補者として選定していた選定委員会で町側委員が過半数を占めていた問題をめぐり、過去に東京都でも同様の問題が発生し、包括外部監査で是正を求められていたことが本紙の調査により分かった。
東京都で問題となったのは、財団法人東京都道路整備保全公社(現在は、公益財団法人に移行)が指定管理者の候補者となった際の選定委員会である。 当時、選定委員会には東京都の建設局職員が委員として入り、指定管理者の候補となった東京都道路整備保全公社との間には、都職員の派遣や都職員OBの雇用など、人的な関係も存在していた。
これについて東京都の包括外部監査は、平成21年度に指定管理者との人的関係などを踏まえ、選定委員会の委員の半数を行政側の職員が占めることは、選定の透明性・公平性の観点から望ましくないと指摘。委員構成を見直し、外部委員を過半数とすることなどを求めた。
東京都はこの指摘を受けて制度を改正し、選定委員5人のうち3人を外部委員とした。その後、東京都の指定管理者制度に関する指針でも、選定委員会について「外部委員を過半数含む」ことが明記されている(下記画像参照)。
一方、久御山町の文化・スポーツ施設指定管理者選定委員会では、平成30年の選定時に、副町長・総務部長・教育次長・大学名誉教授・税理士の5人が委員を務めていた。
5人のうち3人を町の理事者・幹部職員が占め、町側委員が過半数となっていた。審査の対象となったのは、町が設立した外郭団体である文スポ、他1社であった。
文スポは、平成18年度から久御山町の文化・スポーツ施設の指定管理者となり、現在まで指定管理業務を担っている。また、歴代の専務理事(事務局長兼務)を町職員OBが独占するなど、町との人的な関係も深い。
町側の選定委員が過半数を占めていたことをもって、直ちに不公正な選定が行われたと速断するべきではないが、指定管理者となる外郭団体と自治体との人的関係が強い場合、その選定を行う委員会に行政側の職員が過半数を占めることが、公正性・透明性の観点から強い疑義が生じる。
東京都の事例では、実際に包括外部監査がこうした点を問題視し、その後、外部委員を過半数とする制度に改められた。
包括外部監査制度は、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家を中心に、高度な専門的知見を有する者を包括外部監査人として選任し、監査委員制度とは異なり、自治体から一定の距離を置いた外部の専門家による監査を行う仕組みである。上述した平成21年度の東京都の包括外部監査を担当したのは公認会計士1名であり、さらに6名の公認会計士などが監査補助者として監査に加わっている。公認会計士を中心とした専門家チームによって、指定管理者制度の運用について詳細な検証が行われたのである。
これに対し、久御山町の代表監査委員(識見監査委員)は、現在は元副町長が務め、その前は元助役が務めていたことを考えると、包括外部監査制度は専門性や独立性が桁違いに高いといえる。
長年にわたり同じ外郭団体が指定管理者となり、その団体と町との人的関係も続いているのであれば、なおさら、「誰が候補者を選定するのか」という審査する側の独立性が問われることになる。
東京都では、行政側委員が過半数を占める選定委員会について、包括外部監査で問題を指摘され、制度そのものが見直された。
久御山町は「本町とは異なる事案である」「東京都の判断についてコメントする立場にない」といった形式的な反論に終始することなく、選定を行う委員会の構成そのものが、住民や民間事業者から見て公正・透明なものとなっているのか、第三者によって検証するべきである。
2026年8月30日
久御山ジャーナル編集部