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意見書案への執行部質疑を議長が制止 裁量権の逸脱・濫用か

9月1日の本会議において、本紙芦田が別の議員が提出者となった意見書案について執行部への質疑を行おうとしたところ、議長がこれを制止し、議会が一時空転した事態が発生した。

 

本紙芦田は「執行部への質疑を認める見解がある」と強く主張。本会議を暫時休憩の上、緊急の議会運営委員会(議運)が開かれ、議員提出の意見案について執行部への質疑が認められるかが議論された。

 

議運では、一旦は「執行部への質疑は一切認めない」という結論が出そうになったが、議会事務局が京都府町村議会議長会に意見照会したところ、具体的な質疑内容を確認した上で、認めるか否かを判断すべきとの趣旨の回答があり、議運は一転して方針転換をおこなった。

 

上記意見照会を受けて議運は、本紙芦田が予定していた質疑内容を確認。その上で、議長は「執行部に対する質疑として適当ではない」との判断を示した。

 

本紙芦田は、質疑内容を確認した上で議長が「質疑を認めない」と判断したことは受け入れる一方、質疑内容を確認することなく、執行部への質疑そのものを制止したことについては容認できない姿勢を示した。

 

ここで、議員提出議案について執行部に対して質疑が認められるか否かについて検証する。

 

『議員必携』(全国町村議会議長会編、学陽書房)には、

 

「質疑は、提出者に対して行うものであるから、町村長から提出されたものは町村長に、議員から提出されたものは、その議員に対してすることになる。しかし、議員提出議案については、その議案の執行上の問題について執行機関に対しても質疑をすることができる

 

とある。

 

また、全国市議会議長会政策第一部長の本橋謙治氏は『自治体法務研究』2025年夏号において

 

「質疑の内容次第では、執行機関への質疑は可能です。つまり、質疑は提出者である議員に限定されるというわけではありません。具体的には、意見書の内容に関する執行状況などについて、執行機関に確認することなどが考えられます」

 

と説明している。

 

 全国都道府県議会議長会の元事務局次長の鵜沼信二氏も『ポイント別でわかりやすい!地方議会・議員の基礎知識』(中央文化社)において

 

「質疑は原則として提出者に対して行うものです。議員提出議案についても提出者に対して行うものですが、当該議案の執行上の問題点等についての疑義がある場合は、その限りにおいて、執行機関に対して質疑を行うことができると考えらえれます

 

としている。

 

また、『実務地方自治法講座5巻 議会』(八木欣之介・小笠原春夫編、ぎょうせい)も

 

「(質疑は)基本的には、議題となっている議案を提案した者に対してなされるが、これに限られるものではない

 

として、予算や法令との関係などについて執行機関に質疑できるとの見解を示している。

  

これらはいずれも、議員提出議案であることだけを理由として、執行部への質疑を禁止する見解ではない。

 

確かに、議長には議事整理権があり、質疑が議題外にわたっていたり、自己の意見述べたりしている場合は、これを制止する権限がある。しかしながら、上述した専門家の見解や府町村議会議長会の意見照会結果に照らすと本会議の場でも、まず質疑内容を確認した上で判断することが適切であったといえる。

 

そうすると、議員提出議案であっても、質疑内容によっては執行部への質疑が可能というのが通説と解されるところ、「執行部への質疑は一切認めない」という畢竟独自の見解を示し、本紙芦田の質疑を制止した行為は、議員の発言権を不当に侵害し、議事整理権の逸脱・濫用があったといえるのではないか。

 

本紙芦田は議員提出議案について執行部に対して質疑ができるか調査した上で発言をおこなったものであり、思い付きでおこなったものではない。調査を尽くした本紙芦田の意見も聞かずに、府町村議会議長会の意見照会結果が出るまで、議長と議運が「執行部への質疑は一切認めない」という姿勢だったことは猛省するべきである。

 

2026年9月8日配信

久御山ジャーナル編集部

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