記事

文スポ選定委員の名簿非公表 外部委員の意向で「透明性」後退

公益財団法人久御山町文化スポーツ事業団(以下「文スポ」)を指定管理者の候補者として選定した選定委員会が委員名簿を非公表とした背景に、外部委員からの意向があったことが6月16日までにわかった。本紙芦田の一般質問において、教育次長が答弁した。

 

答弁に立った教育次長によると、令和5年度の選定時、外部有識者の委員から「将来にわたり、被選定者との関わりを排除するため、選定委員の情報を公表しないよう」との意見があり、これを受けて選定委員会として委員の情報を公表しないことを決定したという。

 

委員名簿が令和5年度から非公表となったことは本紙既報のとおりだが、今回の議会答弁によって、その判断のきっかけが「外部委員からの要望」であったことが初めて明らかになった。

 

一方、平成30年12月に公表された選定結果では、選定委員会は副町長、総務部長、教育次長、大学名誉教授、税理士の5人で構成されており、町側委員が3人と過半数を占めていた。このときは委員の属性だけでなく、委員の実名も公表されていた。

 

文スポは久御山町が設立した外郭団体であることから、町側の委員が過半数を占める構成については、「町が設立した団体を町側が審査する」という構図になり、選定の中立・公正性について強い疑念が生じている。

 

本紙芦田は、選定前については不当な働きかけを防ぐため委員の氏名を非公表とする必要性は理解できるものの、選定終了後まで非公表とする必要があるのかと指摘した。これに対し教育次長は、外部委員から「将来にわたっても非公表としたい」という意見があったことを踏まえた措置だと説明した。

 

しかしながら、外部委員から要望があったことを理由に、従来公表していた委員名簿まで非公表とすることが、住民に対する説明責任を果たすことにつながるのだろうか。

 

少なくとも、委員の氏名を公表しないのであれば、例えば「弁護士会の推薦を受けた弁護士」など、委員の専門分野や選任の根拠を明らかにするべきである。

 

従来は公表していた情報を非公表とし、その理由についても「外部委員から要望があったため」とするだけでは、住民の知る権利を軽視していると言わざるを得ない。こうした情報公開の後退が続けば、役場の「隠ぺい体質」が強まっているとの批判を招くことにもなる。

 

外部委員の意向を尊重することと、行政として住民への説明責任を果たすことは別問題である。役場は、見られたくない情報を隠ぺいするのではなく、むしろ公正な選定を行っていることを積極的に示す姿勢が求められる。

 

 

画像2.png

 

2026年8月14日配信

久御山ジャーナル編集部

クロスピアくみやま、1階リニューアルで売上大幅増 カフェも本格オープン

久御山町は7月27日に開かれた総務事業常任委員会で、「まちの駅クロスピアくみやま」の運営状況について報告した。施設の1階リニューアルやテイクアウトカフェの開設を進めた結果、特産品販売コーナーの売上が前年同期を大きく上回るなど、利用促進に向けた成果が報告された。

 

町では、日常の来館者を増やすことを目的に、6月から1階フロアのリニューアルに着手した。特産品販売コーナーを北側へ移設するとともに、待合スペースを南側へ移し、新たにカフェスペースを設置した。また、施設北側出入口のパーゴラには「くみやまマルシェ」の横断幕を設置し、来館者が立ち寄りやすい施設づくりを進めている。8月には北側外壁への新看板設置やカフェカウンター、商品陳列棚の整備も予定している。

 

リニューアルの効果は売上にも表れている。特産品販売コーナーの売上は、6月1日から15日までが22万9,495円で前年比95.7%だったものの、6月16日から30日は54万1,132円で前年比160.6%、7月1日から15日は81万5,239円で前年比281.8%となり、大幅な伸びを記録した。

 

クロスピア売上推移.png

 

町は、イオンモール側から店舗へ入りやすくなったことに加え、「ベジまる(小松菜ドーナツ)」やホワイトコーン、和菓子など新商品の充実が要因と分析している。

 

また、加工室を活用したテイクアウト方式の「IRORI CAFE(イロリカフェ)」は、7月11日に本格オープンした。運営会社はクロスピアくみやまで加工品の製造・販売を行う株式会社TURU。久御山町産小松菜を使用したドーナツ「ベジまる」のほか、ベジまるサンデー、ベジまるティラミス、コーヒーやクリームソーダなどのドリンクを販売している。営業時間は火曜日から土曜日までの午前10時から午後4時となっている。

 

令和8年度は、「SARANNN MARCHE」や「くみやまものづくり祭り with C-AMP」、「HALLOWEENイベント」、「くみやまスマイルフェスティバル2026」、「餅つき」など、多彩なイベントも予定されている。なお、6月に予定していた「クロスピア市×環境フェスタ」は台風の影響で延期となった一方、「ホワイトコーンまつり」には約1,000人が来場した。

 

町は今後も、季節に応じた商品の充実や出品者の掘り起こしを進めるとともに、店内掲示やSNSを活用した情報発信を強化する方針としている。

 

クロスピアくみやまは開設以来、多額の公費が投入されてきた一方で、来館者数や売上面では期待された成果を十分に上げられず、「負の遺産」との厳しい指摘も聞かれる施設となっていた。

 

今回のリニューアルやテイクアウトカフェの開設により、特産品販売コーナーの売上は前年を大きく上回る結果となり、一定の成果が数字として表れ始めている。しかし、今回公表された売上はリニューアル直後の短期間の実績であり、今後も同様の水準を維持できるかは未知数だ。

 

クロスピアくみやまが真に再生したと評価されるためには、一時的な話題づくりや売上増にとどまらず、継続的な来館者の増加や地域農産物・特産品の販路拡大、さらには施設全体の収益力向上につなげていくことが求められる。今回のリニューアルが「負の遺産」から脱却する第一歩となるのか、それとも一過性の取り組みに終わるのか。

 

信貴康孝町長は「クロスピアくみやまが山城地域北の玄関口となる公共施設として、地域全体の発展のために、さまざまな取り組みを推進していきたい」(6月会議の濱口隆志議員の一般質問に対する答弁)と決意表明しており、今後の運営と成果が問われることになりそうだ。

 

pdf まちの駅クロスピアくみやまに係る諸報告について(令和8年7月27日付け総務事業常任委員会資料).pdf (0.37MB)

 

2026年8月6日配信

久御山ジャーナル編集部

優良田園住宅の基本方針改定へ 御牧地区の住宅建設を促進

久御山町は、優良田園住宅の基本方針改定に向け、東証プライム上場の建設コンサルタント会社と業務委託契約を締結したことを、7月27日に開かれた総務事業常任委員会で明らかにした。

 

町は平成31年4月、「久御山町優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針」を策定し、みなくるタウンで優良田園住宅の建設促進を図ってきた。しかし、制度開始から現在まで建設実績はなく、基本方針の見直しに着手する。

 

今回の改定では、人口減少が進む御牧地区を対象に、新たな優良田園住宅の推進エリアを検討する。

 

御牧地区は農業振興地域であるとともに市街化調整区域に指定されているため、新たな住宅建設が限定されており、農業従事者や農業法人の従業員、農村での暮らしを希望する人など、多様な居住ニーズに応えられていないことが課題となっている。こうした状況を踏まえ、国の優良田園住宅制度を活用し、豊かな田園環境と調和した住宅整備を進めることで地域の活性化を目指す。

 

契約先は東証プライム上場の建設コンサルタント会社「株式会社オオバ」の京都営業所で、契約金額は737万円。業務名は「令和8年度久御山町優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針改定業務」。業務期間は令和8年5月22日から令和9年3月19日まで。指名競争入札により契約した。

 

当初予算では事業費として基本方針改定業務に906万7千円を計上しており、今回の委託料のほか、策定委員会の開催経費や住民説明会、パブリックコメント、計画書の印刷費などを見込んでいる。

 

町は今後、有識者らで構成する「久御山町優良田園住宅基本方針等策定委員会」で検討を進め、令和8年11月から令和9年1月にかけて住民説明会とパブリックコメントを実施した後、令和9年2月に基本方針を改定し、同年4月から新制度の運用開始を予定している。

 

優良田園住宅の推進エリアを御牧地区に拡大することは、人口減少の抑制策として一定の効果が期待される。一方で、優良田園住宅は一定の住宅基準を満たした上で町の認定を受ける必要がある制度であり、対象者は限定されることから、その効果は限定的になる可能性がある。

 

約907万円の事業費を投じながら建設実績ゼロに終わり、基本方針が『絵に描いた餅』とならないよう、実効性のある制度設計が求められる。

 

pdf 令和8年度新規施策に係る事業概要調書 優良田園住宅基本方針等策定業務.pdf (0.21MB)

pdf 久御山町優良田園住宅基本方針等改定について(令和8年7月27日総務事業常任委員会資料).pdf (0.31MB)

 

2026年7月28日配信

久御山ジャーナル編集部

グランハット工事遅延 今年度の損害賠償金は約3820万円見込み

久御山町は、全世代・全員活躍まちづくりセンター(グランハット)の建設工事の遅延に伴い、施工業者である公成特定建設工事共同企業体から支払われる令和8年度分の損害賠償金を3819万9745円と見込んでいることが、6月25日までに分かった。町企画財政課が予算決算常任委員会で報告した。

 

グランハットの建設工事は、当初の工期だった令和7年11月19日から大幅に延長され、現在は令和8年12月28日の完成を予定している。

 

工事遅延を巡っては、公成特定建設工事共同企業体(代表者・公成建設株式会社)から令和7年度分として1853万8112円の損害賠償金が支払われており、6月会議では、この支払いを受ける補正予算の専決処分が承認された。

 

今回、町が示した資料では、工期が令和8年12月28日までとなった場合、令和8年度分の損害賠償金は3819万9745円になると試算。令和7年度分と合わせると、総額は5673万7857円に上る見通しとなる。

 

委員会の審査では、樋口房次委員(@くみやま)が「損害賠償金の見込み額は『工期を令和8年12月28日とした場合』とあるが、これはどういう意味か」と尋ねた。

 

これに対し企画財政課の担当者は、「現時点では令和8年12月28日を工期として算定しているが、工期が短縮される可能性がある。そのため、損害賠償金も変動することがありえる」と説明し、これ以上、工期を延長することはないとの認識を示した。

 

pdf 久御山町全世代・全員活躍まちづくりセンター建築工事損害賠償金(令和7年度分)の支払について(令和8年6月25日予算決算常任委員会資料).pdf (0.2MB)

 

2026年7月27日配信

久御山ジャーナル編集部

 

町と文スポの「天下りスキーム」 採用時に候補者情報を提供

久御山町の外郭団体である公益財団法人「久御山町文化スポーツ事業団」(以下「文スポ」)が職員を採用する際、久御山町に候補者となる人材の情報提供を依頼していたことが6月16日までにわかった。本紙芦田の一般質問に対し、教育次長が答弁した。

 

文スポは、総合体育館や中央公園など町の文化・スポーツ施設の管理運営を担う久御山町の出資法人で、平成18年度から指定管理者として施設の管理運営を行っている。

 

本紙芦田は、指定管理者となった平成18年以降、歴代専務理事6人全員が町職員OBとなっている点を取り上げ、「約20年間にわたり例外なく町職員OBが就任している事実を見ると、結果として町職員OBの指定席のような人事運用、端的に言えば天下りポストになっているのではないかとの懸念が生じる」と指摘して、その理由を尋ねた。

 

これに対し松村教育次長は、「文スポが人材を採用するに当たり、本町に人材の情報提供の依頼がある場合には、候補者となる職員の意向を踏まえ、本町から情報提供を行う場合がある」と答弁。そのうえで、「それらの情報等も踏まえ、文スポにおいて必要な人材を採用されたものと考えている」と述べ、最終的な採用判断は文スポが行っているとの認識を示した。

 

本紙芦田は続けて「町として現在の状況を適切であると考えているのか」と質問した。

 

これに対し松村教育次長は「文スポとの間で町行政を協力関係できちっと推進していく、その意味においては、適切な関係というふうに認識している」と答弁し、町として現在の人材確保の仕組みに問題はないとの認識を示した。

 

これまで、本紙の調べにより町職員OBが専務理事に就任していることは確認されていたが、今回の答弁により、文スポが職員採用に当たり町へ候補者の情報提供を依頼し、町が職員本人の意向を踏まえた上で情報提供を行うという、いわば「天下りスキーム」が存在することが明らかになった。

 

指定管理者制度は、民間のノウハウを活用し、管理運営の効率化やサービス向上を図ることを目的とした制度であり、このようなスキームは、その趣旨に反するものである。指定管理者に移行してからの歴代専務理事の全員が町職員OBになっていることも住民感情として許されるものではない。

 

文スポが指定管理者への移行後約20年間、歴代専務理事が例外なく町職員OBであったことに加え、町が候補者の情報提供を行っていたことは由々しきことである。こうした「天下りスキーム」にメスを入れる聖域なき行革を断行する必要があるといえそうだ。

 

町と文スポの「天下りスキーム」 採用時に候補者情報を提供

 本紙芦田が教育委員会からの聞き取りを基に作成

 

2026年7月25日配信

久御山ジャーナル編集部

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...
トップへ戻る