久御山町議会は、5月17日に改選後初の議会(通称「人事議会」)を開いて、議長に松本義裕議員(くみやまみらい)を、副議長には岩田芳一議員(公明党議員団)を選出した。
その他、監査委員の選任同意や事務組合の議員、議会運営委員会および常任委員会の正副委員長・委員の選出などをおこない「前期」議会人事が下記の通り、すべて決まった【以下、敬称略】。
○議長 松本義裕
○副議長 岩田芳一
○監査委員 島宏樹
○議会運営委員会
・委員長 塚本五三藏
・副委員長 島宏樹
・委員 辻徹、樋口房次、巽悦子、戸川和子
○総務事業常任委員会
・委員長 樋口房次
・副委員長 辻徹
・委員 田井稔、中野ますみ、島宏樹、戸川和子、中井孝紀
○民生教育常任委員会
・委員長 巽悦子
・副委員長 大宮竹志
・委員 濱口隆志、塚本五三藏、岩田芳一、芦田祐介
○予算決算常任委員会
・委員長 戸川和子
・副委員長 濱口隆志
・委員 議長を除く11名
○広報広聴委員会
・委員長 中井孝紀
・副委員長 巽悦子
・委員 大宮竹志、田井稔、辻徹、濱口隆志、岩田芳一
○城南衛生管理組合議会議員 塚本五三藏、辻徹
○後期高齢者医療連合議会議員 巽悦子
○京都地方税機構議会議員 田井稔
議長・副議長などは、会派代表者会議などによって事前調整の上で、すべて本会議において議長による指名推選により選出された。監査委員は、町長が選任同意の議案を提出した上で、賛成多数で同意となった。
城南衛生管理組合議会議員のみ、定数2名のところ塚本議員・辻議員・芦田の3名が名乗りを上げ、事前調整がつかず全員協議会で2名連記制による選挙がおこなわれた。
※投票用紙に2名の議員名を記載することができる。2名とも同じ議員名を記載した場合は無効票。
選挙結果は
塚本議員 13票
辻議員 13票
芦田 1票
白票(無効票) 1票
となり、塚本・辻の両議員が本会議で指名推選された。
なお、議会3役・議会運営委員会および常任委員会の正副委員長、特別地方公共団体(広域連合・事務組合)の議員のいずれにも選出されなかった「無役」の議員は、中野ますみ議員(日本共産党議員団)と芦田の2名となった。
2023年5月17日
久御山ジャーナル編集部
5月10日から会派代表者会議が開かれ、議長・副議長・監査委員などの議会人事について「民主的」な協議がおこなわれている。
議長の有資格者は
①2期目以上であること
②会派所属議員であること(日本共産党議員団は野党会派のため排除される)
③副議長または少なくとも常任委員会委員長の経験があること
④これまでに議長経験がないこと
⑤議会内で一定の人望があること(議会内で嫌われていないこと)
などが考えられる。
②については、改選前に無会派の中井孝紀議員が議長に選出されたことがあるが、これは例外的と考えられる。
④については、過去に林勉元議員が議長を2回務めたことがあるが、10年を経ての再登板となっている。現職議員で議長経験があるのは戸川和子議員、島宏樹議員、樋口房次議員、中井孝紀議員の4名である。
以上のことを踏まえ、議長の有資格者と考えれるのは松本義裕議員(くみやまみらい)・岩田芳一議員(公明党議員団)・塚本五三藏議員(@くみやま)の3名となる。
議会人事は、住民やマスコミは勿論、議員の傍聴も許可されない密室の会派代表者会議で事実上内定となり(協議が決裂すれば選挙になる)、5月17日の本会議で正式決定となる。
2023年5月11日
久御山ジャーナル編集部
久御山町議会の新しい会派構成が以下のとおり決まった。
日本共産党議員団 巽悦子(代表)・中野ますみ
公明党議員団 戸川和子(代表)・岩田芳一
くみやまみらい 島宏樹(代表)・松本義裕・辻徹・濱口隆志
@くみやま 樋口房次(代表)・塚本五三藏・大宮竹志・田井稔
会派に属さない議員 中井孝紀・芦田祐介
【以上届け出順・敬称略】
このうち信貴康孝町長の推薦を受けたのは公明党議員団の戸川和子議員・岩田芳一議員、くみやまみらいの島宏樹議員・松本義裕議員・辻徹議員・濱口隆志議員、@くみやまの樋口房次議員・塚本五三藏議員・田井稔議員の9名になる。
これにより、今回引退した田口浩嗣前議員と内田孝司前議員から後継指名を受けた大宮竹志議員もあわせると10名が「町長与党」「町長派」となる。立憲民主党の松尾憲前議員(町長「非」推薦)が落選したことにより、改選前よりもさらにオール与党に近い状況となった。
一方、地元推薦を受けたのは島宏樹議員(栄三・四丁目自治会長推薦)・松本義裕議員(佐古自治会推薦)・辻徹議員(佐山自治会推薦)・濱口隆志議員(ミサワ林自治会推薦)・田井稔議員(田井自治会推薦)となった。
【町長推薦・地元推薦ともに選挙公報に記載があったものに限る】
今回の会派編成により「くみやまみらい」と「@くみやま」が各4名となり、最大会派となった。この2会派が議会運営の主導権を握りそうだ。日本共産党議員団は引き続き野党会派として活動する。
久御山町が全戸配布した冊子に公職選挙法違反(文書図画の掲示違反)を助長しかねないイラストを掲載していたことがわかった。
問題の冊子は「久御山町レインボウプラン概要版」。『広報くみやま』4月15日号とともに全戸配布された。
この2ページに「このたび町議会議員に立候補しました!」という性別不詳のイラストが掲載されており、「女の人?男の人?」という問いがあり、その下に「実は、答えは決まっていません!」として女性の候補者と思われるイラストが掲載されている。
つまるところ、町議会議員候補=男性という「無意識の思い込み」がないかと問題提起するものである。
このイラストは「町議会議員に立候補しました!」という表記があることから選挙運動の描写と解釈できる。問題なのは、のぼりを選挙運動で使用していることである。
公職選挙法143条では、選挙事務所を表示するためのものや選挙カーに取り付けることによって「のぼり」(文書図画)を掲示することは許されているが、それ以外については認められていない。
しかしながら、当該イラストでは候補者が手に持って「のぼり」を掲示しているため、当該行為が実際にあれば公職選挙法(文書図画の掲示違反)に違反する。
イラスト自体は違法ではないが、自治体が発行する冊子で、本件のような表現をおこなえば、公職選挙法に助長する恐れがあり、極めて不適切との誹りは免れない。
根拠法令:公職選挙法
(文書図画の掲示)
第百四十三条 選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第一号、第二号、第四号、第四号の二及び第五号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
一 選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
二 第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
三 公職の候補者(参議院比例代表選出議員の選挙における候補者たる参議院名簿登載者で第八十六条の三第一項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されているものを除く。)が使用するたすき、胸章及び腕章の類
2023年4月27日
久御山ジャーナル編集部
読者から質問が届いたので、質問・回答を掲載する。
【質問】
久御山町議会議員選挙の投票日である4月23日のお昼頃、私の友人宅に✕✕✕✕陣営(編集部注:届いた質問文は実名表記)の選挙事務所から「もう投票へは行かれましたか?」などと電話があったそうです。
投票日当日の選挙運動は公職選挙法違反にあたるものだと認識しておりましたので、疑問を抱きました。
電話の内容にもよるのかと考えましたが、このケースは問題にならないのでしょうか?
もし違反だった場合、選挙結果に大きな影響が出るものと思われますので、重要なことではないかと思います。
※質問内容は一部編集済み
【回答】
結論:本件架電はグレー(適法か違法かの判断は難しい)
このような電話は俗に「追い出し電話」と言われるものであり、私自身もこのような電話を何度か受けたことがあります。特定候補への投票を依頼するものではないため、選挙に携わる者の間では一般的に「適法」と認識されています。
例えば『28歳で政治家になる方法』(田村亮著、経済界)には「投開票日は、選挙運動をしてはいけません。しかし、『投票に行きましょう』と電話することは、実はOKなのです。『◯◯候補をよろしく』とは言えませんが、色々な人に投票棄権防止運動で電話することは問題のない行為です」(221頁)などと書かれています。
『“イヤな”議員になる/育てる』(髙井章博著、公職研)にも同趣旨の記載があります。
一方、高知市のHPには「投票日当日の選挙運動は禁止されていますので,電話による投票依頼は選挙違反となります。また,○○候補への投票を依頼されなくても,投票日の当日に特定の候補者を支持している者等が投票の呼びかけを行うことは,選挙違反の恐れがあります」と書かれています。
また『統一地方選挙の手引』(選挙制度研究会著、ぎょうせい)には、「投票日に、特定候補者を支持推薦している団体等が、自動車等で棄権防止を呼びかけることはどうか」という問いに「棄権防止のためといえでも、併せて特定の候補者の当選に資するものと認めれ、違反になる場合が多い」と回答しています。
判例があればよいのですが、上述したとおり、明白に選挙違反ということもできません。個人的には特定候補者の選挙事務所を名乗って「投票いきましょう」と促すことは、違反の可能性が高いのでやめるべきと考えますが、当局による取り締まりなどもなされていないようです。
(回答者:芦田祐介)
高知市HP(外部リンク)
2023年4月24日
久御山ジャーナル編集部